八戸市にある「トセノイエ」は、「旅人と地域の人々が交流できるゲストハウス」がコンセプトの、地元の魅力を体験できる温かい宿泊施設です。

オーナーの鈴木みのりさんが手掛けるこのゲストハウスは、夏休みになると多くの親戚が集った曽祖母トセさんの家にちなんで名付けられました。

戦後の厳しい時代を、お菓子屋を営み、逞しく生き抜いた曽祖母トセさんの作る笑顔あふれる居心地のよい空間を思い出させるこの場所は、地域に根ざした文化や風景を堪能できると評判です。

宿のデザインは、シンプルながらもノスタルジックな温かみのある和室で、奥の間に飾られた南部菱刺しの掛け軸が見事。

まるで夏休みにおばあちゃんの家に遊びに来たような、他人との境界線を溶かしてくれるような、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

鈴木さんは、アメリカ留学やイタリアでのインターン、インドへの一人旅など、世界の多くの国を旅した経験を経て、地元八戸の魅力を発信することを大切にしており、観光客にはただの宿泊施設以上の体験を提供することを心がけています。

アメニティを少額ながらも有料にしているのは、「物を使い捨てることを当たり前だと思って欲しくない」「少しだけ立ち止まってみてほしい」という、環境保護へのささやかな思いから。

滞在中には地元の人々との交流や、八戸の自然や文化に触れるさまざまなアクティビティも楽しめます。

もちろん内容は日によって違いますが、八戸の飲み歩きにはかかせないみろく横丁探索、部屋の中にある手書きの地図とガイド、喫茶へバナで地元のお年寄りに混じって食べる朝食、せんべい汁のふるまいなど、八戸の楽しみ方の幅をぐっと広げてくれる宿です。

「トセノイエ」は、八戸の自然や文化を肌で感じることができる、まさに「暮らすように旅する」体験ができる場所です。