太宰治記念館「斜陽館」

#太宰治の過去に触れる

五所川原市 歴史・文学・神社仏閣

多くの名作を残した文豪、太宰治。「人間失格」「斜陽」「走れメロス」「女生徒」などの著名な作品のみならず、「津軽」「帰去来」などの晩年の作品には、大人のファンも多く、故郷青森が多く登場しています。

現在の太宰治記念館「斜陽館」は、父親であった明治の大地主、津島源右衛門によって1907年(明治40年)に建てられたものです。

蔵を利用した資料展示室には、太宰が生前着用していたマントや文具、直筆原稿、書簡などのほか、初版本や外国語の翻訳本などの貴重な資料があり、全国から多くのファンが集まります。マントは着用して記念撮影も可能です。

米蔵に至るまで日本三大美林のヒバを使い、当時のお金で工事費約4万円をかけて造られたもので、階下11室278坪、2階8室116坪、付属建物や泉水を配した庭園など合わせて宅地約680坪(約2200平方メートル)の豪邸は、東北豪商の館としても見ごたえがあります。

明治時代に建てられた貴重な木造建築であり、近代和風住宅の代表例として2004年に国の重要文化財に指定されています。 もっとも太宰はこの家を「苦悩の年鑑」の中で「この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである。」と書いてるそうです。

大地主の家に生まれ育った自らの運命、受け入れるか逃げるかの二択しかなかった、若き日の太宰の苦悩がほんの少しだけ見えるようです。

縁側に座って中庭を眺めながら、そんな複雑な思いも含め、太宰の世界観の一部が確実にこの場所で作られたことに思いを馳せずにはいられません。

スポット名 太宰治記念館「斜陽館」
住所 〒037-0202 青森県五所川原市金木町朝日山412−1
電話番号 0173532020
営業時間 9:00-17:00(最終入館16:30)
休館日:12/29
公式サイト 太宰治記念館「斜陽館」