四季の千成
#地元で愛され続ける鍋焼きうどん
「四季の千成」は、青森市にある昭和7年(1932年)創業の老舗食堂です。90年以上の歴史を持つこの店は、地元の人々に愛され続けています。
特に有名なのが「鍋焼きうどん」で、60年以上にわたり提供されてきた看板メニューです。熱々の鍋焼きうどんは、寒い冬の青森で体を温める絶品で、もち、エビ天、かまぼこ、ごぼう、ネギなどがバランス良く入っており、心も体もほっこりとさせてくれます。
また、四季の千成はラーメンや定食も人気で、特にチャーシューやワンタンが特徴的な中華そばは、優しいスープと細めの縮れ麺が絶妙な組み合わせです。どこか懐かしい味わいで、地元の人々だけでなく観光客にも評判です。
店舗は新町の再開発に伴って、最近新町通りに戻り、2024年3月にリニューアルオープンしています。店内には、店名にちなんだ千成びょうたんの柄をはじめ、季節を表す柄の手ぬぐいがタペストリー風に飾られています。
店主の成田さんは64歳。先先代が始めたこのお店を継ぐことは、子供のころから当たり前のことだと思われていたそう。お母様は銀座の甘味処、お祖母様は神田のご出身だそうで、二代連続で東京の女性と青森の男性が夫婦になられたそう。成田さんご自身も、若い時には横浜に出て修行をしていたそうです。江戸っ子の粋と、津軽人の実直さ、その両方を持ち合わせた「四季の千成」の味わいのようなエピソードです。
今でも、まかないを作りながら、普段から「レシピにいたずらをするのが大事」とのことで、いろいろな実験をしては、新メニューの開発に余念がない成田さん。最近のヒットは、まぐろのカルパッチョ丼とのこと。ただし、100通りの試作メニューのうち、採用されるのはたったの3~4通りの狭き門。
また、元々が甘味処だっただけあり、お餅のメニューも充実しています。黒ごま、きなこ、あべかわもちの3色ぜんざいも人気です。
これからも、伝統の味を守りつつ、新たな魅力も加わり、付近の会社員たちの心と体を温め続けてくれるお店であることでしょう。