青森の家庭料理:いがメンチと地ビール

青森県の津軽地方では家庭料理として伝わるイガメンチ(いかメンチなど呼び名が複数あります)。“イガゲソ”を使い、たまねぎや人参といった野菜とともに小麦粉でまとめ、油で揚げたものが始まりと言われています(農林水産省「うちの郷土料理」より)。津軽地方の市場やスーパーマーケットのお総菜コーナーでは定番の安価な商品です。食事の一品や、時にはスナック、時にはお酒のあて、と津軽の人たちにとっては日常的な料理です。

テーブルの上にあるいろんな食べ物

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▲地元の市場に並ぶイガメンチ

そんなイガメンチと合うお酒として推しているのは、地ビールです。日本酒と合うイメージがあるかもしれませんが、鼻に抜ける華やかなポップのアロマがイガメンチのイカのうまみを引き立てます。一口かじると香ばしい香りと、口いっぱいに広がるイカのうまみ。ビールとの相性が抜群。ついもう一つと手が伸びます。

イガメンチは家庭やお店ごとに作り方や具材が異なり、揚げにするか焼きにするかといったアレンジがあります。野菜たっぷりのもの、イカしか入っていないもの、大きさも形もさまざま。楽しみ方も味わい方も多種多様です。種類が多いイガメンチの中でも、特に推しているイガメンチと地ビールを紹介します。

海風に吹かれて王道イガメンチ

青森市にある「やきとり直」の「いかメンチ」はTHE王道のイガメンチ。揚げタイプでイカ多め、キャベツの歯ごたえがしっかりあります。平たく、握りこぶし程の大きさのイガメンチはペロリと平らげてしまうことができ、タマネギの香りとイカのうまみのハーモニーがたまりません。テイクアウトをして、近くにある海沿いのベンチで潮風に吹かれながら食べるイガメンチは最高です

やきとり直
住所 青森県青森市新町1丁目12-19
電話 0177-52-0735

▲海辺のベンチでイガメンチを楽しめる

贅沢イカだけメンチ

新鮮なお魚と青森の地酒が楽しめる「和dining bar匠味」のイガメンチは揚げタイプ。甘塩っぱいソースがかかった、揚げたてのサクサクした衣をかじると、中にはイカがぎっしり。噛めば噛むほどにイカのうまみが押し寄せます。ふた口目はお皿にのっているマヨネーズを付けて。揚げ物にマヨネーズ、世界中のカロリーを口に入れてしまったような最強の組み合わせ。お酒が進みます。もちろんお酒を飲まない方も、やみつきになる味でしょう。

和dining bar匠味
住所 弘前市代官町20-1
電話 0172-55-7383
営業時間 18時~23時
定休日:日曜日

▲▼和dining bar匠味のイガメンチ、イガメンチの他にも県産食材を使用したメニューが並ぶ

香り高いOIRASE BEERのIPA

十和田市にブルワリーをかまえるOIRASE BEER。長い年月をかけて湧き出す八甲田山の伏流水(奥入瀬の源流水)を使用して、ビールが製造されています。私はOIRASE BEER の中でもIPAが好きです。まずは香りを。フルーティーで華やかな香りが強く香り、飲んだ後の苦みがイガメンチにぴったり。IPAとイガメンチのセットであっという間に幸せ空間に。県内の酒屋、オンラインストア等でも購入可能です。

奥入瀬レストラン
住所 青森県十和田市奥瀬堰道39-1
電話 0176- 27-1317
営業時間 11時~16時 定休日:水

複数のビールの瓶

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OIRASE BEER各種、青森県のブランド米「晴天の霹靂」を使用したビールもある

タップルームで新鮮なビールとイガメンチの共演

2階に店舗を構える「ギャレスのアジト」は、注ぎ口が1階のブルワリーのタンクと直接つながっているタップルームです。その時に仕込んでいるビールを飲むことができ、既に缶として売られている商品もその場でグラスに注ぎ、楽しむことができます。

ここは、イガメンチとクラフトビールを同時に楽しむことができるお店です。イガメンチは固めのイカゲソがごろごろ入っていて、野菜もたっぷり。平たい円形でショウガのペーストとしょっぱいタレが別で付いています。ひと口目はそのまま、イカの食感が楽しく、醸造したばかりの新鮮なビールで流し込む瞬間はまさに最高の一時と言えます。ショウガのペーストをつけるふた口目は、イカのうまみとショウガの香りが混ざり合いさらにビールが進みます。

ギャレスのアジト
電話 0172-78-1222
住所 青森県弘前市松ケ枝5丁目7-9-2F
営業時間 17時~22時
定休日:日・月・火

   

▲イガメンチと店内で販売している缶ビール

お店でイガメンチと地ビールを楽しむも良し、市場やスーパーでイガメンチと地ビールを購入し、部屋でゆっくり楽しむも良し!青森を訪れた際にはぜひ、イガメンチと地ビールをお試しください。また、繰り返し訪れる中で、推しイガメンチや推し地ビールを見つけてみてはいかがでしょうか。

文:ONAGAWA MANA

現在大学4年生、大学進学を機に弘前に住みはじめた。弘前および青森に魅せられ、日々青森の食べ物、自然を満喫している。